ITパスポート試験は何点で合格?600点の意味と、評価点の実際の分布
「何問正解すれば受かりますか?」――ITパスポート試験でいちばん多い質問です。結論から言うと公式に「◯問正解で合格」と言える仕組みではありません。その理由と、代わりに手がかりになるIPA公開の「評価点分布」を、実際の人数で読み解きます。
最終更新:2026年7月29日
1合格基準は2つ。両方を満たす必要があります
②ストラテジ系・マネジメント系・テクノロジ系の分野別評価点が、それぞれ1,000点満点中300点以上であること。
この両方を満たした人が合格です。
IPAのFAQにも「総合評価点が600点以上でしたが、分野別評価点の一つが300点未満でした。この場合は合格基準を満たしていますか?」という質問があり、答えは「合格基準を満たすには、総合評価点が600点以上であるとともに、すべての分野別評価点が300点以上である必要があります」と明記されています。得意分野だけで総合点を稼ぐ戦略は通用しません。
2「何問正解で合格」と言えない2つの理由
理由①:評価点は素点ではなくIRTで算出される
評価点は正解数をそのまま点数化したものではなく、「IRT(Item Response Theory:項目応答理論)に基づいて解答結果から算出」されます。問題ごとの難易度が加味されるため、同じ正解数でも、どの問題を当てたかによって評価点は変わりえます。したがって「◯問正解=◯点」という換算表は存在しません。
理由②:100問のうち採点対象は92問
出題は100問ですが、総合評価の対象になるのは92問です。残り8問は「今後出題する問題を評価するために使われます」とIPAが公表しています。分野別評価の対象も、ストラテジ系32問・マネジメント系18問・テクノロジ系42問の計92問です。
| 分野 | 出題数の目安 | 分野別評価の対象 |
|---|---|---|
| ストラテジ系(経営全般) | 35問程度 | 32問 |
| マネジメント系(IT管理) | 20問程度 | 18問 |
| テクノロジ系(IT技術) | 45問程度 | 42問 |
| 合計 | 100問 | 92問 |
どの8問が採点対象外なのかは、受験者には分かりません。「この問題は捨てても大丈夫」という判断は成り立たないので、本番では全問に取り組むことになります。
3代わりに手がかりになる「評価点分布」
IPAは毎月、総合評価点の分布を人数つきで公開しています。次は令和8年6月分(2026年7月22日公開)の実際の分布です。
| 評価点 | 対象者 | 受験者に占める割合 | 判定 |
|---|---|---|---|
| 900〜1,000点 | 44 | 0.2% | 合格ライン以上 |
| 850〜899点 | 136 | 0.7% | 合格ライン以上 |
| 800〜849点 | 402 | 2.2% | 合格ライン以上 |
| 750〜799点 | 827 | 4.5% | 合格ライン以上 |
| 700〜749点 | 1,710 | 9.3% | 合格ライン以上 |
| 650〜699点 | 2,753 | 15.0% | 合格ライン以上 |
| 600〜649点 | 3,486 | 19.0% | 合格ライン以上(最多層) |
| 550〜599点 | 2,674 | 14.6% | あと一歩 |
| 500〜549点 | 2,341 | 12.7% | ― |
| 450〜499点 | 1,655 | 9.0% | ― |
| 400〜449点 | 1,143 | 6.2% | ― |
| 350〜399点 | 711 | 3.9% | ― |
| 300〜349点 | 334 | 1.8% | ― |
| 0〜299点 | 152 | 0.8% | ― |
| 合計 | 18,368 | 100% | ― |
出典:ITパスポート試験「評価点分布(総合)令和8年6月分」(割合は当サイトによる算出)。欠席者や退室を命じられた方の評価点はありません。
この分布から分かること
- 最も人数が多いのは600〜649点の帯(3,486人)――つまり合格ラインのすぐ上です。ここに全受験者の19.0%が集まっています。
- 合格者の約3人に2人が600〜699点です(600〜649点と650〜699点の合計6,239人は、この月の合格者9,358人の66.7%)。ぎりぎりで受かるのが多数派で、高得点で受かる人は例外的です。
- 550〜599点が2,674人――1問か2問の差で届かなかった層が、受験者の14.6%います。ここが最も悔しい帯です。
- 300点未満は152人(0.8%)だけ。まったく歯が立たない試験ではありません。
- 750点以上は1,409人(7.7%)。後述する「ITコーディネータ試験の一部免除」が得られる水準です。
これは令和8年6月度に限れば、総合600点に届いた人は全員が3分野とも300点以上だったことを意味します。総合600点を取れる実力なら、特定分野だけ300点未満になるケースはまれ、と読めます。
ただし足切りの規定がなくなったわけではありません。1分野に極端な穴を残したまま総合点だけを積み上げようとすると、この「まれなケース」に自分が入ることになります。
4では、どのくらいを目標にすればいいのか
公式に「◯割正解で合格」という基準は示されていません。そのうえで、上の分布から言える実務的な考え方は次のとおりです。
- 模擬試験では正答率6割ではなく7割以上を目標に。600点ちょうどを狙う設計だと、当日の1〜2問の取りこぼしがそのまま不合格になります。合格者の最多層が600〜649点であることは、裏を返せばすぐ下の550〜599点にも同じくらいの人数(2,674人)がいるということです。
- 3分野それぞれの正答率を毎回確認する。総合点の平均だけを見ていると、テクノロジ系の穴がストラテジ系の得点で隠れてしまいます。
- 試験結果レポートを使う。受験後、総合評価点と分野別評価点が分かる「試験結果レポート」を、受験日から1年間ダウンロードできます。再受験する場合はこれが最良の弱点マップになります(何回でも受験でき、次の申込みは受験日の翌日以降に可能です)。
5750点以上を取ると何が変わるか
合格・不合格だけを見れば600点で十分ですが、iパスのスコアには使い道があります。IPAは「ITコーディネータ試験〜専門スキルコース〜」について、iパス750点以上で試験科目が一部免除されると案内しています。上の分布では750点以上は受験者の7.7%です。
また、2026年度(令和8年度)第1回から、高等学校卒業程度認定試験(高卒認定)の試験科目に「情報」が追加され、ITパスポート試験の合格者はこの科目が免除されます。こちらはスコアではなく合格そのものが要件です(文部科学省告示第六号の「知識及び技能に関する審査」の表に、免除に相当する試験区分としてITパスポート試験が掲げられています)。
6よくある誤解
- 「600点=6割正解」→ 違います。評価点は1,000点満点のスケールで、素点(正解数)とは別物です。
- 「上位◯%が受かる相対評価」→ 違います。IRTは他の受験者との比較で合否を決める仕組みではなく、評価点は自分の解答結果から算出されます。
- 「1分野捨てても総合で挽回できる」→ できません。3分野それぞれ300点以上が必要です。
- 「採点対象外の8問がどれか分かる」→ 分かりません。受験者には示されません。
- 「不合格だとしばらく受けられない」→ 受けられます。何回でも受験でき、次の申込みは受験日の翌日以降に可能です(同時に複数の申込みはできません)。
7問題集アプリ「ITウカール」
「3分野それぞれ300点以上」という足切りは、学習中に自分では測りにくい部分です。ITパスポート試験対策アプリ「ITウカール」では、本試験と同じ形式で分野別の到達度が見えるようにしています。
- 本試験と同じ100問120分の本番形式模擬試験
- 3分野の足切り(各300点)を再現した合否判定――総合は届いたのに1分野が足りない、が見えます
- 合格予測メーター/分野別の弱点分析/忘却曲線にもとづく復習リマインド
- オリジナル問題1,305問・暗記カード63枚・用語集143語・対比表22組・数字ドリル31問
- 広告なし/買い切り制(¥720・追加課金なし)/無料お試しあり
8あわせて読みたい
出典・参考にした公式発表
- ITパスポート試験「試験要綱・シラバス」――合格基準(総合600点・分野別300点)、IRT、採点対象92問と残り8問の扱い、分野別の出題数
- ITパスポート試験「統計情報」――評価点分布(総合)令和8年6月分、試験結果(令和8年6月度)
- ITパスポート試験「FAQ」――分野別評価点が300点未満の場合の扱い、受験回数、試験結果レポート
- ITパスポート試験「iパスの活用」――iパス750点以上によるITコーディネータ試験の一部免除
- 文部科学省告示第六号――高卒認定試験「情報」の免除
評価点分布の「割合」欄と、600点以上の帯の合算(9,358人)は当サイトによる算出です。合算値がIPA公表の合格者数と一致することを確認しています。
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